議場に日の丸を掲げることについて、反対討論!

どうして、そんなに付けたいか・・・???

 3月30日の「21年度第1回福生市議会定例会」最終日、総務文教委員会に付託されていた「福生市議会の議場に国旗及び市旗の掲揚を求める陳情書」が採択と報告されました。

 市民の方から出されていた陳情ですが、この前段階では、議会の「議会改革検討協議会」で検討され、「賛否両論ある」ことを議長に答申するとなったテーマでした。
 今回、市民の方から、陳情という形で改めて出され、また、委員会の付託には間に合わない形で、「議場に日の丸はいらない」「議場にはなにもいらない」とする陳情が2件出されました。

 委員会の決定通り「日の丸付けて!」のほうが採択されると、同一会期中に、同じテーマのものを違う判断に結論付けることはできないので(一度、採択されたものを、同じ会期中に「やっぱり不採択」と判断を変えるというのは、議会の性格上できないことになっているのです)、そうすると、遅れて出てきた反対の陳情は「みなし不採択」という形になって、審査もされないという状況に追い込まれます。

 議場に日の丸の旗を掲げようというテーマについて、反対の意見があることを無視してまで、なぜ、そんなに急いで付けたいのか、まったく疑問です。賛成も反対も両論あることが社会的にわかりきっているテーマであるのに、議論を尽くさないのは、議会の役割として問題ではないかと考えます。

 このことについては、日の丸を掲げたい派の議員も、「継続審査にするべき」という動議に賛成した方もいましたが、結果9対10の一票差で、継続審査にしようとする意見は退けられました。

以下、私の、この陳情採択に対する反対討論を、載せます。
 議場は、さまざまな市民のさまざまに関わるテーマを議論し決定していく場です。この目的から言って、余計な思惑の働くものは、掲げるべきではないと考えます。
 特に、この日の丸の旗についての扱いは、社会的に賛否がわかれるところであるのは、周知の事実です。よく引き合いに出されるオリンピックなどでの応援のこと(日の丸に反対の人でも、オリンピック等の国際大会で、日本チームが好成績をあげ、金メダルや優勝すると日の丸があげられることに、感動しているではないか、矛盾だという論です)について、言わせていただければ、先日のWBCでもそうですが、選手のユニホームに日の丸が付いているから(日の丸が掲げられたいから)応援しているのではなく、日本チームそのものを応援しているのです。国を愛する心を育てるのに、強制があってはならないと考えます。
 今まで、議場に日の丸が無くても、なんの問題もなかったのに、なぜ今、急いで重い決定をするのか理解できません。
 また、賛否がわかれるものであれば、両方の意見を聞き、議論する時間を持つことが民主主義の大原則であると考えます。
 採択してしまってから、掲げるまでにはまだ時間がかかる見込み(どこにどのような形で、どんな大きさのものを付けるか、その予算はどうするのか、話し合わなくてはならないから、採択されても明日すぐつけられるってもんでもないしということだそうです)だからと言って、「まず採択」してしまい、今回も反対の陳情が出されていても、「みなし不採択」にされてしまう状況に追い込むのは、市民の気持ちをはねのけてしまうことになります。
 反対の意見もしっかり受け止め、議論を深めることすらもぜずに採択してしまったことは非常に残念なことです。
 議場には、余計な思惑の働くものは、掲げるべきでないこと、反対の意見も受け止め、しっかり議論するのが議会の役割であることから、この陳情の採択には、反対を表明いたします。 

 以上のように、反対討論をしましたが、結果は、変わることなく、賛成多数で、この「日の丸を掲げてほしい」という陳情は、採択となってしまいました。反対のみなさん、また、もっと議論すべきと意見をお持ちのみなさん、力及ばず、申し訳ありませんでした・・・。
 
 写真は、「子ども応援館」ができ、さっそくちょっと、お邪魔してみたときのものです。広報で紹介された次の日ということもあってか、開館3日目にして、幼児とそのおかあさんたちで、大盛況でした!
 ひとりひとりを受け止め、子どもたちも、おかあさんたちも(もちろんおとうさんたちも)、みんな幸せになってねと願いを込めてネーミングされた「子ども応援館」・・・この「ひとりひとりを受け止める」精神は、市政全般に共通することではないでしょうか。
そして、議会で取り組まなければならない優先課題は、山積みです。