日本語支援事情

このまちが好き 夢かなうまち 福生  なんだから!

現在は国の補助事業として行れています。これこそ意味ある予算の使い方!継続が必要です。
現在は国の補助事業として行れています。これこそ意味ある予算の使い方!継続が必要です。
 子どもたちに日本語での授業についていけるような力をつけさせるNPOの活動を見学させていただきました。市役所の通りにある「NPO法人青少年自立援助センターの子ども日本語教室」です。

 「母語が日本語でない」子どもたちに対して、日本語習得の支援と言葉の壁があるがゆえに遅れがちな学習も支援しています。(中学校の学習が教えられる方を募集中でしたよ!どなたかいらっしゃいませんか?)

 福生市では、不登校児童生徒の出現率が東京都の平均を上回る現状があり、その中には、こうした日本語ができないことが大きく起因して、不登校に至っている子どもたちもいます。
 福生には、たくさんの外国籍の方が住んでいます。人口の約0.5%を占めているといえば、一緒に福生に暮らす仲間であることを実感するのはやさしいことではないかと思います。福生の小中学校には、普通に多国籍の子どもたちが机を並べています。
 歴史的に多国籍の人と付き合ってきた福生のまちは、多様性を受け入れてきたように感じます。子どもの友達の肌の色が違っても特に気にしない。そういう町ではないかと思います。日本語教室には、近隣の自治体からも通ってきている子がいますが、その子たちの住む自治体の対応と比べて、福生は、自治体も学校も「慣れている」そうで、連携がつくりやすいようです。また、その仲介役に福生のスクールソーシャルワーカーの活躍も大きいようでした。この日本語教室にも「コーディネーター」が子どもを取り巻く学校・家庭・自治体など、必要なところに出向き、子どもたちが社会の中で溶け込んでやっていけるようになるまでをサポートしています(高校や大学への進学問題や、就労支援まで!就労に関しては、今後さらに分野として構築していく必要性を話されていました)こうした、さまざまな関係機関を取り持つ役目は、必要不可欠だと思いました。

 しかし、まだまだ問題もたくさんあるようです。福生に転入してきたその日から、対応するのは福生市の窓口です。子どもがいれば、教育委員会事務局も関係していきます。そして学校。いずれ場所も、一生懸命その人たちのために頑張っていることを、議員になって目の当たりにしてきましたが、まだまだ、問題がないわけではありません。「ちょっとしたこと」で関係構築がうまくいかず、信頼関係が結べないと「子どもを学校に通わせたくない」なんてことにつながることさえあります。まず、出会う最初の市の受け入れ体制は大事です。どの国籍の保護者でも子どもがどうなってもいいなんて思っている保護者はいません。問題が起こったときに関係機関が「保護者の考えが、学校には通わなくていいと思っているようだ」とか「生活習慣が違うから」なんていうのは、理由になりません。
 今、この福生で暮らす人、全員が幸せになる権利を当たり前に行使できるまち = 「このまちが好き 夢かなうまち 福生」(←福生市の第4期総合計画のスローガンです)ではないでしょうか。そのためには、目の前の大事な問題である子どもたちの日本語支援が、しっかり効率よくいくことが必要です。

 この日本語教室では、ここに通う期間をなるべく短くし、当該の学校に早く戻して社会のなかで暮らせる力をつけることを目指していました。そのためにまず、ここに通ってくることが大事なので、必要であれば学校(学校に通えているが、日本語支援は必要で放課後通ってくる子もいます)まで迎えに行き、日本語教室で学んだあとは、自宅まで送り届けるという手厚さで行っていました。
 保護者の中には、外国籍でシングルマザーという場合もあり、生活のためにしっかり働らく必要がある、働いても高収入は難しいという家庭もあります。近隣市からとはいえ交通費を出すこともたいへんです。ましてや保護者が送り迎えをすることは難しい状況にあります。通う事をあきらめてしまえば、日本語習得のチャンスは薄くなり、不登校や問題行動の原因にもなりかねません。そんな遠回りをするよりも、通いやすく無料で日本語が習得できる場所で短期間に支援を受けたほうが、社会全体としても効率的です。数年で本国に帰る子もいれば、一生を日本で暮らす子もいます。でも、福生で学んだことが力となり国際人として、遠くの国から、または日本の地から、活躍する人となってくれたら、こんなに嬉しいことはないですよね!

 大切な子ども時代をこころ豊かに過ごすことができ、基礎学力を身につけ、さまざまな経験を通して、国際社会で活躍する人材に育つ・・・そんな子どもの育ちを応援するまちに、「福生」をしていきたい! 思いを新たにした見学になりました。