子どもの権利を大切にした社会は、おとなも生きやすい社会!

子どもの権利を考えよう!と、川崎子ども夢パーク所長 西野博之さんを招いて講演会を開きました。(2014.1.25 福生 さくら会館にて)

まず、西野さんは、いま、日本の子どもたちは・・・ストレスをため込む子どもたちとして、まず、以下のような、2014.10月文科省発表の数字をあげられました。

不登校の児童生徒 全国の小中高校生で、約17万5千人

暴力行為 小中高校生での発生件数 1年間に約5万9千件

その暴力行為のうち、生徒間暴力は58% 対教師暴力16% 対人暴力3% 器物破損23%

生徒間暴力の特徴として、自分より弱い者に向かっているということ。

いじめの認知件数は、約18万6千件

また、2014.3月警察庁発表の数字では、「いじめ」等により自らのいのちを絶っているいる子どもの数 小中高校生で、1年間に320人(男213人 女107人)

これらの数字は、子どもたちがストレスをため込んでいる現れなのではないかと。

1986年から、不登校や高校中退した子どもたちの居場所づくりをし、子どもたちに関わってきた西野さんは、子どもたちの発する「どうせ俺なんか・・・」「ぼくバカだもん」「わたし、ダメだもん」という自己肯定感の低い言葉に、「おとなの不安」が原因にあるのではないかと言います。

子どもが10歳なら、親だって親年齢は10歳、親だって完ぺきに正しい親を頑張らなくていい。

完ぺきな人なんていない。

では、子どもをサポートする人たちは?

「自分の傾向を知っておくこと」・・・子どもたちと接する中で、子どもたちはいろんなことを言ったりやったりしてくる。その時にどういうことを言われたら自分は平常心を無くして怒ってしまったりするのかを、自分で理解しておくことが大切だと。

そして、川崎子ども夢パークでは、日々、「あの時の、あの子への接し方は、どうだったんだろう?」という振り返りをスタッフ間で行い、調整していくのだそうです。

実践の話もちりばめられた話は、とても参考になりました。

 

まちは、不審者がいるかもしれなくて、外のお砂場は雑菌が溢れていて、心配、心配。

子どもたちは、弱くて小さくて無知な存在だから、健康で正しくて完ぺきに成長させなくては!そのために指導しなくては!

そんな風に思っておとなの心配や期待は尽きないのもわかりますが、完ぺきな人なんていないことも事実。

それよりも子どもをまるごと受け止めて、指導ではなく寄り添って、社会のパートナーとして信じていくことで、社会全体もおおらかになります。違いを認め合い、失敗してもまたやり直す体力と許容を持つ柔軟性を持つ社会になるのではないでしょうか。

おとなも子どもも生きやすい社会をつくることを目標に置いて、「生きる力を付ける教育」を掲げないと、生きる力の意味が違ってしまうような気がします。

10月には、この川崎子ども夢パークに、下村文科大臣が視察をしました。この取り組みが評価された表れか、やっと子どもたちの可能性に気付いたのか、昨日(2015.1.31)の朝日新聞一面に「フリースクール国が支援 公的位置付け検討へ」と題された記事が載りました!

記事によると、1992年不登校の増加を受けて文科省が、フリースクールで勉強した場合も、在籍校の校長が判断すれば、学校の出席と扱えるとする通知を出しているものの、法的には「学校」と認められていないので、補助金も受けていない場合もあり、NPO法人や保護者の運営で行われているフリースクールが全国に約400あるということです。

たとえば、福生にも、フリースクールの役割を果たすNPO法人があります。

日本語の不得意な外国籍の子どもたちが不登校になってしまう場合があって、福生市には、そういった子どもたちに日本語支援と学習支援をしているNPO法人青少年自立援助センターがあります。福生市はそこに通う子どもたちに対して、出席扱いとする連携を作っています。現在は国の補助金を利用して運営されているので、無料で利用できますが、この2月にもその補助金の切れ目がやってくるということで、問題になっています。

福生の子どもたちが通える分の予算は福生市が確保しているのですが、福生以外の周辺他市からもこのNPOに通ってきており、福生市だけでこのNPOの取り組みをまるごと支えることが難しい状況です。

このNPOがあるから、子どもたちも、その保護者も相談に乗ってもらえ、高校や大学への進学や就労も含めたトータルな相談につながり、子どもたちの自立に結びついています。

こうした意味ある取り組みに、しっかり予算が回らないと、安定的継続的な運営ができません!国も都も市も、もっと積極的になるべきです!

どのような状況でも、その子に合った居場所をつくれ、学びと遊びの環境が確保できるという国にしてもらいたいと、この「公的位置付けへの検討」を期待します。(くれぐれもフリースクールが、フリーでなくなることが無いように、注意して国の位置付けを作ってもらいたいですが!)

川崎市が、子どもの権利条例を制定し、それをもとにしてできた川崎子ども夢パークは、「けがと弁当自分持ち」のプレイパークで、子どもたちが遊びを生みだし、思いっきり夢中になって遊ぶ場です。不登校の子どもたちの居場所であるフリースペースも併設され、まず、その子をまるごと受け止めるところから始まり、初めは、やる気なくごろごろしたり、テレビゲームをやり続けたりしている子が、徐々に、みんなで作るお昼ご飯作りに参加したり、さまざな体験プログラムに参加して、自分の目標を自分で見つけていきます。川崎市の教員の新人研修の場にも使われているとのこと!素晴らしい!しかも、この場に来る子を「川崎市の子だけ」なんて線を引いていません!他市の子も受け入れています。

子どもの権利条例づくりでは、おとな委員会と子ども委員会が作られ、子どもの意見も大きく取り上げあげて作られました。おとなと子どもが一緒に会議する場面では、子どもの人数のほうを多くするなどの工夫もされたとのこと。

そして、その仕上げに、子ども委員会が考えた宣言文は、「おとなも幸せになってください」というものでした!

子どもは、素晴らしい!子どもは、未来への財産であるばかりではなく、おとなのパートナー。今今のまちづくりの主役のひとりであり、チームメイトなのです。

福生でも、市民みんなで、考えて、子どもの権利を大事にするまちづくりをはじめてごらんと、エールをもらえたような会でした。

福生市は、「子育てするならふっさ」と掲げ、放課後の子どもたちの居場所を整備したり、児童館も3館あって、不登校の子の通う場もできていますが、子どもの権利を基にした、子どもの環境の充実を図っていくことは、まだまだやることがたくさんあります!