人前で意見を言ったり、人の意見を聞いて、自分との違いを発見したりすることは、とても大事なことなのに。
テレビなどでおなじみの尾木直樹先生のご講演を聞く機会がありました。最近は、明石家さんまさんに「尾木ママ」などと呼ばれて親しみが増しているようです。さすが!な軽快な語り口ではありましたが、日本の子どもたちが、「自分を孤独だ」と感じていることや、精神的なケアが必要な子どもたちがたくさんいることが文科省の調査により分かったことなど、数字を織り交ぜながら、わかりやすく解説してくださいました。
思春期に孤独を感じることは、ままあることとは思いますが、「自分を孤独だと思う」と答えた割合が、ほとんどの国で、10%を超えていない中、ひときわ伸びている棒グラフが日本で、なんと約29%とのでした。この異常な高い数字に対して、国連から「子どもたちになんらかのケアが必要なたいへんな事態であるから、対策を」と勧告を受け、文科省が調査をしたのでした。
また、オランダでは、小学校に4歳から入れますが、生徒会活動も4歳からスタートするそうです。「そこに関わる人が、みんながいいように考えて意見を出し合う」経験が小さなころから育まれているそうです。ヨーロッパでは、歴史的にとなりの国同士、領土争い、覇権争いの連続だったかもしれませんが、昨日まで、戦ってきた者同士が、今日からは同じ国の仲間となって国づくりをしていく過程で、異質なものを理解し、仲間にしていくことを磨いてきたのかもれません。
日本は、農耕民族として、村社会がいい意味で、助け合う環境を作ってきた歴史があります。多様化・グローバル化してるし、外国からたくさんの人がやってくるようになったけれども、日本人のDNAに組み込まれた良さを、日本のしくみに加えていくことで、もう一度、日本を表現し、暮らしあう仲間で、気持ちよく協力するには、という民主主義を育てるしくみを作っていくことが必要です。(日の丸つけりゃー伝わるってもんでは、ないと思います。)
尾木先生の言葉から、学校で民主主義の練習、政治のことを勉強することは、決して偏向教育をすることと同義ではないことを改めて確認できました。
社会を担う人材を育む教育です。