その降り立ったとき、「ハッチが開いたとたん、草の香りがシャトル内に入ってきて、地球にやさしく迎えられたようだった」とコメントしました。
なんて素敵な感性なのでしょうか。
今回、帰還後の記者会見に搭乗者自身が出席したことは、きわめて異例と報じられましたが、重力のない世界から、重力があることが前提のこの地球上に戻ってくると、ずいぶんと違いがあるのだなとびっくりしました。
まず、座るという行為でお尻が痛い。重力によって体が押しつぶされている状況なのですね。宇宙に行ってくると、筋力の低下・骨量の低下などが見られ、一度に20歳くらい年をとったような状態になるそうで、その筋力を戻していくために数ヶ月間のリハビリが必要なのだそうです。
元気に自力で歩いて会見に臨んだ若田さんは、ほんとうにすごい体力の持ち主ということになります。
それでも、お風呂のお湯が異様に熱く感じられたり、コップを持ち上げることに意識をしないと、持ち上げられなかったりと、日常生活でも支障が出るくらいの変化なのだということが、次々若田さんから発信されていて、この数日びっくりさせられています。
宇宙空間の放射能曝露についても、新聞に載っていました。原発などの放射能施設で働く人の超えてはならない数字の5年分を4か月ちょっとで浴びてきたそうです。これは、今後若田さんの体のデータを取り続けて、検証し続けていくことになるそうです。
草の香りのする地球。放射能が充満し過酷な宇宙空間。そこから守られ、地球上で生活していくことに、順応してきた人間のからだ。
地球上にも自然の放射能があるよと言っても、やっぱり、人的に放射能をこの地球上にばらまくことになる、原発や核燃料廃棄物再処理工場は、いらない。いらなくて済むエネルギー政策への転換が重要だと思いました。
この地球の環境を大事にしていく大切さを教えられたような若田さんのコメントでした。