高齢者の暮らしを支える

介護が必要になったとき

 それまで、旅行だ、趣味のサークルだ、同窓会だ・・・と気ままな老後ライフだったのが、介護の必要となった連れ合いのために、自分自身も家に縛り付けられることになったら?
 かといって、実際の介護は、自分も高齢なので手を出せるわけではない。となると、「家にいることが仕事」みたいになることは、決して、その人のためにはならないと思います。

 これから増えていく傾向にある、高齢者世帯。

 まるごと支えるには、どんなことが必要でしょうか?

 先月の市民厚生委員会で、陳情の審査をしているときに、ある議員が、「ヘルパーさんに介護を頼んで、その間、パチンコに行っている家族はけしからん」的な発言がありました。 
 果たして、そうでしょうか?

 家族介護をしている方にとって、レスパイト(息抜き)は必要です。周りの者が、心身ともに元気であることが、介護されるほうにとっても一番の大事な要素です。うまくレスパイトサービスを使って、家族介護に悲劇が起こらないようにしてもらいたいものです。

 また、介護される側から見て、住み慣れた町で暮らし続けるには、やはり、徒歩圏内にデイサービスや、訪問看護・介護のステーションがあること。そして、通ってくる利用者本人だけでなく、親戚や近所の人たちが気軽に訪ねてきてくれるような場にならなければ、住所はほとんど変わらなくても、会える人はヘルパーさんと看護師さんだけ、なんてことになったら、本末転倒です。そんな、普通を実現するために、デーサービスや小規模多機能型の事業が成り立つよう、介護報酬の改定も含めた改善が必要だと考えます。心にゆとりのある事業所を増やして、地域で暮らし続けるしくみづくりを進めて行かなければと思います。

※小規模多機能型居宅介護・・・自宅があることは前提として、「通い」・・・デーサービス、「泊まり」・・・ショートステイ、「訪問」・・・訪問介護・家事援助 を組み合わせたサービスを提供する。同じ事業者がすべてをトータルに見れるので、利用者にとっても安心感がある。西多摩では、小規模多機能型の事業所がなかなか増えないのが現状。

 ケア付き住宅なども含め、地域資源として、どれだけ用意する必要があるのか、しっかりと計画をたて、一つ一つ作っていかなければと思います。

 国では、療養病床を減らしていく方針を見直すことの新聞報道がありました。
 利用者・患者の段階に応じてケアのできる場は、さまざまに必要です。医療的なケアのできる場も安心して利用でき、また地域に帰るには、何が使えるのか、場を準備するだけでなく、その情報が必要な人の所へさっと届くしくみも同時に必要ではないでしょうか?