市のPTA連合会理事会の管外視察という研修が毎年行われますが、PTA本部に関わっている関係で、参加させていただきました。いつもは会長と校長が対象になりますが、今回の行き先が「秋津コミュニティ」と聞いて、ぜひバスの座席に余裕がある限り、多くの人で行きたい、福生一中からは直接的なPTA組織ではないけれど「おやじの会」のメンバーに参加してもらいたいということで、おやじの会からも2名、他校もプラス1〜2名で参加したこともあり、総勢40名ほどの参加となりました。
この、習志野にある「秋津コミュニティ」は、知る人ぞ知る学校を地域の核としたコミュニティづくりの老舗のようなところで、その中心的な人物が「岸 裕司さん」です。
この秋津小学校を使ってコミュニティづくりを地域のおとなたち、特にお父さん達の参加率が高いことでも知られていますが、老若男女がみんなで楽しく居場所づくりをしています。
数年前にこの岸さんの書かれた『学校を基地にお父さんのまちづくり』 『「地域暮らし」宣言 学校はコミュニティアート!』の本と出会い、こんなに楽しく、こんなに心豊かに、人と人との関係づくりをしているところがあるなんて!と感激し、自分の住むまちもこんなふうに、人が声を掛け合って、その中で子ども達がその子らしくひとりひとり育っていけるまちにしていきたいと、心新に思ったのでした。
いつか、この秋津コミュニティに行ってみたいとずっと思っていた憧れの地でしたので、到着して、岸さんのお話しが始まったとたん、涙が溢れてきて、終始泣っぱなし・・・ご一緒したみなさんは「あなみ何泣いてんだ、気持ち悪い」と思ったことでしょう。(ご迷惑をおかけしました)
岸さんは、なんと小学校1年生まで、福生でお過ごしになられています。お父様を早くに亡くされて母子家庭で兄弟の協力とご近所の方に助けられながら育ったことを、この著書の中でも明かされています。
お母様はきっと一家を支える忙しい仕事を持ちながら、愛情を絶やさずにたっぷりと子ども達に注いだことでしょう。でも、物理的に、足りないところ、お仕事に行って留守の間は、上の子が下の子の面倒をみたり、またご近所の方がお世話を焼いてくれたり、そして、福生の当事の自然が遊んでくれたりして、補ってくれることで、こんなにもすばらしい「岸さん」というおとなとして成長し、自分が今度は地域のコミュニティづくりの核となっていらっしゃる。
母親が忙しさにかまけて、育児放棄をしてはいけないけれども、母親が大事な仕事をしている、意味のある活動をしていく時に、一緒にいてやれない時間が増えれば増えるほど、多かれ少なかれぶち当たる、「私って子どもにとっていい母親なのかしら、悪い母親なのかしら」という葛藤に、「ひとりぼっちで子育てしなくていいんだよ」「子どもは、保護者の愛情と、人があたたかくつながりあっている地域と、自然からの恩恵があれば育っていけるよ」と示唆してくれたのが、岸さんであり、秋津コミュニティでした。
また、今回お話しを直接伺って、広告デザイン会社の経営もしている岸さんの、経営感覚が、またこの活動に厚みを持たせ説得力のあるものになっているのがよく分かりました。数字を抑え、相手を良く知ること、Win&Winで、自分も相手も得する商売をするという発想で、現場の先生達を助けていく気持ち。とても参考になり、また感動をあらたに、大興奮で帰路につきました。今回の研修に関わったみなさま、本当にありがとうございました。