放射性物質・・・日本はこれからどうするか

ふたつの学習会を通して

7月18日「放射能に負けない暮らし」
8月7日 「いま、こどもたちを守るために、知っておきたい放射能のこと」

と二つの学習会を開催しました。
前者は、市民科学者を育てる高木学校から出前講師の板橋志保さんを招いて、基礎的な放射能・放射線の知識といった内容。
後者は、NPO法人チェルノブイリへのかけはし 代表野呂美加さんを招いて、各地で開かれている「お話会」。こちらは、西多摩地域のお母さん達が、なんとか西多摩エリアで野呂さんのお話会を開きたいとの思いを受け止め、青梅ネットと福生ネットの共催で実現しました。

羽村ゆとろぎを会場に、80名の会議室がビッチリ埋まり、小さなお子さん連れや、ご夫婦での参加も多かったことも、印象的でした。
野呂さんからは、チェルノブイリ原発事故の影響で、死の灰が降ったベラルーシの子どもたちを、毎年「清浄な」日本に招き、1か月の保養をさせるという活動を19年続けてくる中での実感こもるお話をお聞きしました。
社会主義のベラルーシでは、引っ越すことも職業を変えることも、政治的な発言も自由が制限されている中でも、農民の生活は、まさに、自給自足でお金が無くても食べていくことができ、作物の取れない冬のために、夏に収穫したもの(トマトまで!)瓶詰にして、保存食で食べていく、そうした暮らしぶりなのだそうです。自由は少ないかもしれないけど、食生活の面では、もしかしたら、日本の一般家庭よりも、スローフードで、健康的で、土地の物を生活の知恵で大事に食べる豊かさがある食文化なのだと思います。
そうしたところに、死の灰が降った。
そして、いまだに、放射能の影響が出ているのに、国は独裁政権が「放射能は無くなった」と宣言し、対策は、まったくされない状況。

ベラルーシの子どもたちは、日々、放射線にさらされ、放射線を取り込んだ土地の作物を食べていることで、「病気の花束」と呼ばれる状況・・・体中のありとあらゆるところが具合が悪い、一番弱いところから正式な(?)病名の付いた病気になっていくそうです。個体差が大きいので、食中毒のように、放射線が原因だと突き止めづらいところが難点でもあり、対策が進みません。
でも、そんな具合が悪い子どもたちも、「清浄な」」日本で1カ月過ごすと、ぐっと元気になるそうです。子どもは、取りこんでしまうのも早いけれども、排出するのも早いのです。

それには、やっぱり、食べ物が重要!

放射能汚染されていない食べ物を毎日食べることで、体が回復していくのです。ベラルーシでは、いつまでもほっておくから、ずっと影響が出ている!!

そして、土壌も、微生物が豊かに活動しているところでは、放射性物質を取り込む可能性が低くなります。栄養と間違えて放射性物質を取り込んでしまうのだから、栄養が満たされていれば、入る余地がないというわけです。無農薬・有機農法はやっぱり有効だと思います。

いま、日本でやりはじめるべきことは、
◆子どもたち、次世代を生みだす世代に、放射能汚染のない食物を回すこと
◆規制値を厳しくして、土壌測定と食品の測定と公表を強化し、農家への補償は、土壌段階から始めること
◆すぐにでもできることとして、学校給食(福生の場合、中学校ランチルームも)こそ、胸を張って安全と言い切れる産地のものを使う←測定はやはり必要だと思います。
松本市では、すでに、給食食材は、汚染されていないものと決めて、納入されているそうです。さずが!菅谷市長!
◆空間線量も、私は、まだまだ、細かく測って行く必要があると思います。公園の真ん中とはじっこ、枯れ葉が溜まっているところなどで、溜まり方が違うと思いますし、まだ、福島は、終息していないのです。
◆福島の子どもたちは、集団疎開させるべき。できないなら、保養目的の短期間の転地療養でもいい。修学旅行の緩やか版と思えばいいのでは。みんなが行けるように社会的に整備すべき

チェルノブイリ原発事故では、300キロ離れたところでも、線量が高い地域があり(いわゆるホットスポット)汚染されているといいます。遠くに運ばれた放射性物質は、粒子がより細かくなり、野菜などへの吸収がされやすくなってしまうようです。遠いから単純に安全という事はありません。

とにかく測定すること。最低限それをしないと、市民は選べない。
私の加入している生活クラブ生協では、500万の予算を使って、食品の測定器を買い、すべての取り扱い消費材(食材)を測定し、公表する準備を進めています。
食品の測定所が現在、パンク状態と言いますが、各自治体で用意してもいいのではないでしょうか?

米どころの東北。福島も含め、作柄が今年は良いのだそうです。それを素直に単純に喜べないのは悲しいことです。
にわかに、主食のコメを守れ!と、食べましょう運動が展開されそうだが、冗談じゃない!大事な主食の大事な産地に、原発建てたのは誰だ!と言いたい!
これから、どうやって、何を誰が食べるか、みんなで考えていかなければならないと思います。これから生まれてくる子も含めて、すべての子どもたちが、笑って、安全でおいしい食べ物を食べられるように。